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稲盛和夫が語るアメーバ経営の実践法!全員参加の経営 philosophy

2025年05月25日 18:42

稲盛和夫が語るアメーバ経営の実践法!全員参加の経営 Philosophy

企業経営において、「組織をどう動かすか」ではなく、「人をどう活かすか」に主眼を置いた稲盛和夫氏の経営哲学。その核心にあるのが「アメーバ経営」です。

本記事では、稲盛氏の語る「アメーバ経営の実践法」に焦点を当て、どのように導入し、現場に根づかせるのか、そして「全員参加型の経営哲学(Philosophy)」を実現するためのポイントを解説します。


1. アメーバ経営とは、"自立した小集団経営"である

アメーバ経営は、企業を小さな組織単位=「アメーバ」に分割し、それぞれが自主的に経営を担う仕組みです。重要なのは「管理」ではなく、「経営する当事者」を育てること。

アメーバの定義

  • 社員数:3~10名程度

  • 独自の収支責任(時間当たり採算制)

  • リーダー(アメーバ長)が経営判断を行う

稲盛氏は言います。

「一人ひとりが小さな経営者になることで、組織全体が活性化する」


2. 導入のステップ:アメーバ経営は「制度」ではなく「文化」

アメーバ経営は見かけ上の組織図を変えるだけでは効果を発揮しません。重要なのはフィロソフィ(経営哲学)の浸透と共有です。

導入の3ステップ:

ステップ① フィロソフィの共有

経営の目的、働く意義、価値観を全社員と共有。
理念なき制度導入は、短命に終わると稲盛氏は強調します。

ステップ② 組織の再編とアメーバ化

事業単位・プロセス単位・顧客単位など、実態に合った単位でアメーバを編成。

ステップ③ 採算管理の教育と実践

「時間当たり採算表」を自ら作成し、日々の活動と数字を結びつける。


3. 実践現場でのキーポイント:アメーバ長は「リーダー」ではなく「経営者」

アメーバ経営における最重要人物が「アメーバ長」です。ただのマネージャーではなく、そのユニットの経営者として行動することが求められます。

アメーバ長の役割:

  • 収益責任を持ち、数値を元に意思決定を行う

  • メンバーとフィロソフィを共有し、対話を重ねる

  • 業績目標と行動計画を自ら立案・実行する

稲盛氏の言葉:

「数字を追うのではない。数字の裏にある“人の心”を読み取れ。」


4. 全員参加の経営 philosophy とは?

稲盛氏が強調したのは「社員全員が経営に参画することが企業を強くする」という信念です。

全員参加を実現する鍵:

  • アメーバ会議による情報共有と意思決定

  • 採算表作成を通じた数字への当事者意識

  • 営業・製造・企画など全職種の「見える化」

経営がトップの専有物ではなく、社員一人ひとりが経営判断に近づくプロセスをつくることが、アメーバ経営の真の力です。


5. 成功の秘訣は「数字」+「心」

アメーバ経営は数字管理に強い手法ですが、稲盛氏はそれだけでは不完全だと語ります。

アメーバ経営=経営技術 × 経営哲学

  • 経営技術:時間当たり採算制度、アメーバ分割、数値責任

  • 経営哲学:利他心、動機の純粋性、全員で会社を良くするという思い

稲盛氏はアメーバ経営を通じて「心をベースにした強い会社」を築こうとしました。


まとめ:アメーバ経営は「人間性」と「数字」が融合する経営

アメーバ経営の本質は、「人を信じ、人に任せ、人が育つ仕組み」をつくることです。制度として表面的に導入しても、それが社員の心に根づかない限り、真の効果は発揮されません。

経営とは数字の操作ではなく、人の心を動かす営み。
それを最も具体的な形に落とし込んだ手法が、アメーバ経営なのです。


▼あわせて読みたい:

  • 『アメーバ経営』稲盛和夫著:実践ガイドとして最適な一冊

  • 『生き方』:経営者としての心のあり方を説くベストセラー

  • 実際に導入した企業のインタビュー記事(後日掲載予定)